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国立劇場のスルガザクラ 2代目のツボミふくらむ春(産経新聞)

 千代田区隼町の国立劇場で毎春、大勢の人を楽しませてきたシンボルツリーのスルガザクラがナラタケ菌に感染したため、同じ遺伝子を持つ若木と植え替えられた。枝張り6メートル四方にも達した見事な雄姿はもう見られないが、2代目もつぼみがふくらみ、今月下旬にはソメイヨシノより一回り大きい白花を咲かせそうだ。

                   ◇

 劇場によると、スルガザクラは昭和47年3月、職員5人が退職記念に劇場後庭に植えたもの。ソメイヨシノより花つきが多く、最初に咲く白い花が散り際には真ん中から紅を差したように美しいピンク色に変わるのが特徴で、全国的にも珍しい品種とされている。

 見事な花ぶりだったため、劇場は平成13年2月に正面の前庭中央に移植。毎年開かれる「さくらまつり」では、低めに仕立てられた枝に白花が密に咲くスルガザクラを目当てに訪れる人も多い国立劇場のシンボルツリーとなった。

 しかし、劇場敷地内の植物を管理している日本芸術文化振興会総務課管理室主任の内山泰幸さん(56)が20年夏、スルガザクラの葉がしおれ、変色している異変に気づき、樹木医の診断を受けたところ、ナラタケ菌に感染していることが判明した。

 悪化すると枯死するため、21年1月に感染していた大枝や根を切断。治療を試み回復を期したが樹勢はよみがえらず、植え替えられることになかった。

 植え替えられた若木は、枝の途中に根を生えさせて繁殖させる「取り木」という方法で育てたもので、元のスルガザクラと同じ遺伝子を持つ。取り木後約10年たち、現在は高さ3メートルを超えている。元のスルガザクラは枯死しているわけではなく、神奈川県の畑に移植し、回復を待っている。

 内山さんは「元気なときのスルガザクラの花はボリュームがあり、形も見事でした。取り木が役に立ったが、思い入れがあるサクラなので複雑な気持ち。若木には元の木のように立派に育ち、再びシンボルになってほしい」と話している。

                   ◇

 国立劇場さくらまつりは27日〜4月4日(各日正午〜午後3時)。期間中、温かいほうじ茶の無料サービスのほか、土日はお菓子無料サービス、芸能実演(午後0時半、午後1時の2回、各15分間)も。問い合わせはさくらまつり係TEL03・3265・6012。

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